医療従事者の方へ

国際学会参加報告

OTA 35th ANNUAL MEETING

富山市民病院 整形外科・関節再建外科 重本顕史

 2019年9月25日~28日にアメリカ合衆国コロラド州、デンバーで開催されましたOTA 35th ANNUAL MEETINGに参加させていただきましたのでご報告させていただきます。
  外傷治療に携さわる先生方はよくご存知だと思いますが、OTA:ORTHOPAEDIC TRAUMA ASSOCIATIONは、筋骨格系、特に骨折や脱臼を受傷した患者のケアと治療に専念する整形外科医と医療専門家の国際組織です。現在会員数は66か国2, 592名で構成され、『科学フォーラムの提供、筋骨格の研究、そして整形外科医と公衆の教育を支援することを通じ、負傷した患者のケアの卓越性を促進すること』を使命として掲げ、活動しています。
 今回、Poster発表の機会をいただき本学会にはじめて参加させていただきました。
 OTA総会は9月26日の午後からでしたが、前日25日からPre-Meetingや関連イベントが開催され、私は25日のInternational Orthopaedic Trauma Care Forumから参加しました。この会のSymposiumで長崎大学の宮本先生が、Paper Sessionで神戸大学の福井先生が発表されました。会自体は非常に和やかな雰囲気で行われていましたが、全体を通しての印象としてPaper Sessionでの韓国からの発表が多く、今後日本からも積極的に参加していかなければ・・と感じました。レセプションでは各国の代表が国旗を持ち、もちろん日本からは渡部理事長が国旗を掲げ記念撮影が行われました(写真1)。

写真1 International Trauma Care Forum Reception:各国代表
写真1 International Trauma Care Forum Reception:各国代表

 さて総会ですが、基本は大きなひとつのホールを中心に行われました。会場の広さは圧巻の迫力であり、7:30のSYMPOSIUMから多くの参加者で埋まっていました(写真2・3)。また1日に3回Concurrent Breakout Sessionsが組み込まれ、約4~5個のテーマごとにそれぞれ別の会場で行われ、どれも非常に興味をそそる内容で選ぶのに毎回悩みました。ちなみに朝はこのConcurrent Breakout Sessionsが早朝6時30分から開始され、会場に準備された軽食を食べながら聴講しておりました。私が早朝に参加したManaging Complex Humeral Fractures From Proximal to DistalというSessionでは症例提示のような形で行われ、早朝から盛り上がっておりました。

写真2 OTA 35th Annual Meeting 本会場の様子

写真3 OTA 35th Annual Meeting 本会場の様子
写真2・3 OTA 35th Annual Meeting 本会場の様子

 今回、日本からの発表はDigital Case Presentationに久留米大学の白濱教授、岡崎先生が、またScientific Posterに明石医療センターの脇先生、帝京大学の乾先生、そして私の5名でした。他にも日本からは渡部理事長をはじめ14名の先生方が参加されており、夜などは大学の枠にとらわれない、海外ならではの貴重な交流の場に参加でき光栄でした(写真4)。海外発表はなかなかハードルが高いように感じますが、現地では国内外の多くの素晴らしい先生方と交流ができ、刺激をいただける貴重な場です。ぜひ今後も多くの先生方と一緒にTeam Japanで日本の素晴らしい骨折治療の研究や臨床の成果を世界にアピールしていければと思います。