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フェローシップ

台湾 fellowship program レポート 2025

台湾フェローシップ、TOTA発表を終えて

帝京大学医学部附属病院 外傷センター
荒川 郷彦 先生

2024年の第50回日本骨折治療学会で学会奨励賞を賜り、その副賞として、2025年7月7日から13日にかけて高雄市のE-Da Hospital (義大病院)、Kaohsiung Veterans General Hospital(高雄退役軍人総合病院)でのフェローシップおよびTaiwan Orthopaedic Trauma Association (TOTA)での学会発表に参加いたしましたので、ご報告申し上げます。

今回以下のスケジュールで見学・発表して参りました。
7/7 羽田空港より高雄国際空港へ渡航
7/8-9 E-Da Hospital見学
7/10-11 Kaohsiung Veterans General Hospital見学
7/11 台湾高速鉄道で台北へ移動、TOTA Welcome partyへ参加
7/12-13 TOTAへ参加、発表
7/13 松山国際空港より帰国

〜E-Da Hospital〜

E-Da Hospitalでは、ちょうど海外留学中だった大中敬子先生にご案内いただき、病院の特色や取り組みを詳しく知ることができました。 手術見学では、教授・レジデント問わず分業体制が確立しており、手術日には一日中手術に集中できる環境が整備されている点が印象的でした。特に、前月に当院にtraveling fellowで来訪されたDr. Oscarは、研究を並行して進めるため、研究アシスタントに手術の写真撮影やスコアリングなどを委任しており、研究と臨床の両立を実現する体制に感銘を受けました。

【写真1】義大病院の先生がた、大中敬子先生と。
【写真1】義大病院の先生がた、大中敬子先生と。

〜KVG Hospital〜

KVG Hospitalでは、高雄市の外傷医療の中心として数多くの患者を受け入れており、台湾では珍しくないバイクの“3人乗り・4人乗り”を背景とした複雑な重度外傷が多数見られ、今日の日本ではほとんど遭遇しないような学ぶことの多い症例ばかりでした。また、限られた固定材料の中で工夫して手術を行っており、膝蓋骨の粉砕骨折に対して踵骨プレートを応用するなど、柔軟な発想に驚かされました。
カンファレンスでは、患者の報告のみならず、case presentationも並行しておこなわれていました。若手医師がスライドを準備し、症例提示・考察までを丁寧におこない、その後上級医の先生がミニレクチャーとしてレビューするという屋根瓦式の教育体制が確立していました。若手、上級医問わず忙しい中で学術的な議論・教育を行っており、私のcase presentationにも真剣に耳を傾ける姿に深い感銘を受け、身の引き締まる思いでした。

【写真2】高雄退役軍人総合病院の先生がたと。
【写真2】高雄退役軍人総合病院の先生がたと。

〜TOTA〜

KVG Hospitalでの手術見学の後、Dr Linと台湾高速鉄道に乗って台北へ移動しました。新幹線は日本から輸入した日本製のものであり、台湾語は読めないのですが、不思議と理解することができました。
台北に到着後、welcome partyに参加し、台湾、韓国、タイの先生がたのみならず、日本の外傷領域で著名な先生方とも交流する非常に貴重な時間を過ごしました。
翌日にTOTA本会では、私にとって初めての英語でのプレゼンテーションとなり、大変緊張しました。学会長のProf. Suをはじめ、会場から多くの質問をしていただき、非常に励みになりました。学会全体の温かい雰囲気に支えられ、緊張以上に“楽しい”と感じられた発表でした。

【写真3】(左) 不思議と理解できる台湾高速鉄道の車内案内、(中) Dr. Linにご案内いただきました、(右) 日本から参加された先生がた、TOTA学会長のProf. Suと。
【写真3】(左) 不思議と理解できる台湾高速鉄道の車内案内、(中) Dr. Linにご案内いただきました、
(右) 日本から参加された先生がた、TOTA学会長のProf. Suと。

期間中を通して、指導医・レジデントの先生方から大変温かいおもてなしをいただき、台湾の美酒美食を堪能させていただきました。宿泊先の豪華なホテルにはもちろん、病院見学時にも台湾のお土産まで頂戴し、台湾の方々の温かなホスピタリティに心から感銘を受けました。学びの多い毎日であると同時に、終始楽しく、台湾整形外傷界の魅力を全身で感じる1週間となりました。

末筆となりましたが、このような素晴らしい機会を賜りましたJOTA、TOTA関係者の先生方、またJSFR、TOTAでの発表に際してご指導頂いた帝京大学整形外科学講座の先生方に深くお礼申し上げます。