医療従事者の方へ

フェローシップ

台湾 fellowship program レポート 2024

台湾 fellowship program report 2024

大阪市立総合医療センター 整形外科
永井 洋輔 先生

7/12(金)から7/20(土)まで、日本骨折治療学会と台湾骨科創傷医学会のTravelling fellowship programに参加しましたので報告いたします。7/13.14日(土,日)に台湾骨科創傷医学会が高雄で開催されました。高雄までは直行便があり、関西国際空港からは約4時間のフライトです。空港にお迎えがありタクシーで滞在ホテルに移動しました。Team Japanは仙台徳洲会の井上先生、長崎医療センターの宮本先生をはじめとする8人で、前日のレセプションから参加しました。ほかにも韓国、タイからの先生が参加されていましたが、昨年や本年の骨折治療学会に来られていた先生もいらっしゃって、再会を喜び合いました。Fellowship sessionは初日の第二会場で細々と行われ、緊張しながらも慣れない英語のプレゼンを終えてホッと一息つきました。2日目は英語のセッションがなく、以前に帝京大学に留学されていたLiu先生とホテルの近くを散策し午後から台南市へ移動しました。その日の夕食はローカルフードをいただきましたが、さっそくcase presentationを依頼され、Po-Ting Wu先生のもとで働く先生たちとdiscussionしました。月曜と火曜はNational Cheng Kung University Hospital(国立成功大学医学部付属病院)でのFellowshipで、基本的に手術見学でした。患者さんの保険や収入によって使用できるインプラントが違い、それに合わせてプランも変えなければならない台湾の医療制度に驚かされました。空き時間には、まったく迷いのないフリーハンドTKAも見せていただきました。2日目の朝に学会と同じ発表をして、午後は台南観光の時間をいただき、レジデントの先生たちと食事や買い物を楽しみました。Wu先生と合流して行きつけのお店で夕食をいただき、高雄に戻るころには水曜日になろうとしていました。Kaohsiung medical university hospital(高雄医学大学病院)でのFellowshipは1日のみでしたが、Fellowship責任者のChen先生(教授)が直々にホテルまでお迎えに来てくださいました。ちなみに朝7時です。カンファレンスで2日連続の発表を行い、病院紹介をしてもらった後は、手術見学もそこそこに研究棟などを案内してもらいました。筑波大学の卒業生がいて、流暢な日本語で研究内容を説明してくれました。夕方は早めにホテルに戻り、洗濯などをすませて陳先生のご家族とお食事させていただきました。少しずつ高雄の町にも慣れてきて、この日の夜は少し散策をしました。最後の2日は今回のTOTA会長であるYih-Wen Tarng先生が副院長をされているKaohsiung Veterans General Hospital(高雄栄民総医院)でのFellowshipでした。3つの病院の中で最も新しく、お金のかかった治療が可能な病院でした。渡航前から連絡を取り合っていたKai-Chen Lin先生に案内をしていただきながら、通算4回目の発表をしました。この頃には英語の発表にも慣れ、反復の大切さを再認識しました。この病院では、チーフレジデントがすべての外傷手術について、人員配置を含めたマネジメントを行います。当直明けにもかかわらず、淡々と業務をこなしながらFollowの相手をし、自らも手術をこなしているチーフレジデントの仕事ぶりに感服いたしました。いつか彼と再会したら「働きすぎだ」と伝えてあげたいです。木曜日の夕食はレストラン、金曜日はローカルフード+観光と、ここでも「高雄でやり残したことはない」と言えるくらいの歓迎を受けました。土曜の朝は5時にホテルを出発し、帰国しました。1週間という期間ではありましたが、台湾の先生方のホスピタリティと熱心な仕事ぶりを目の当たりにし、自省の念にかられました。今回得た、貴重な経験や交友関係を大切に、今後も研鑽に励みたいと思います。

コロナの影響もあり、今年は3人でのFellowshipとなりました。京都大学の山下先生、筑波大学の角南先生とは学生時代からバスケットボール部で面識があり、非常に心強かったです。この場を借りて改めておふたりに感謝申し上げます。
また、学会関係者の皆様、自施設の皆様に深謝いたします。とても貴重な機会をいただき、ありがとうございました。


TOTA(Taiwan Orthopedic Trauma Association) in Kaohsiung(高雄)
National Cheng Kung University Hospital(国立成功大学医学部付属病院)
Po-Ting Wu
Dr Jian-Chin Chen  Kaohsiung medical university hospital(高雄医学大学病院)
Kaohsiung Veterans General Hospital 高雄栄民総医院
Dr Kai-Chen Lin  Dr Yih-Wen Tarng
台灣骨科創傷醫學會 第八屆理事長

学会晩餐会にて4か国(台湾、日本、韓国、タイ)の会長が勢揃い。
学会晩餐会にて4か国(台湾、日本、韓国、タイ)の会長が勢揃い。

prof. WuとランチをしながらDiscussion。
台湾の医療事情についてですが、人手不足と働き方改革はどこの国でも共通の課題のようです。
prof. WuとランチをしながらDiscussion。台湾の医療事情についてですが、人手不足と働き方改革はどこの国でも共通の課題のようです。

つかの間のリフレッシュ。 We are Tanpan(短パン)brothers!
つかの間のリフレッシュ。 We are Tanpan(短パン)brothers!

どの病院でも熱烈歓迎でした。
どの病院でも熱烈歓迎でした。

高雄医学大学病院でのプレゼン。
3つの病院で雰囲気も違い貴重な体験でしたが、外傷治療に対する熱量はどの病院もすごかったです。
高雄医学大学病院でのプレゼン。3つの病院で雰囲気も違い貴重な体験でしたが、外傷治療に対する熱量はどの病院もすごかったです。

Lin先生は3件の手術の合間に病棟を案内してくれたり、ランチをご一緒してくれました。
Lin先生は3件の手術の合間に病棟を案内してくれたり、ランチをご一緒してくれました。

Tarng先生は器械の滅菌待ちの時間にわざわざ手を下ろして講義してくださいました。
Tarng先生は器械の滅菌待ちの時間にわざわざ手を下ろして講義してくださいました。