東京科学大学 大学院医歯学総合研究科
整形外傷外科治療開発学講座 准教授
王 耀東 先生
まず初めに、私事ではありますが、所属する東京医科歯科大学と東京工業大学が統合し、2024年10月1日に【東京科学大学(Institute of Science Tokyo)】が誕生しました。略称は、【科学大(Science Tokyo)】です。これからも何卒よろしくお願いいたします。
私にとって、韓国骨折治療学会(Korean Fracture Society:KFS)との交換トラベリングフェローである本プログラムへの派遣は、2018年に続き、2度目となりました。前回の研修・経験により、国際的な学術活動のみならず、国内外の人と人のつながりが大きく深く広がり、私自身にとってまさに転機でありましたので、当時の関係者の皆様にあらためて深く御礼申し上げます。今回の旅では、この6年間で世界や自分がどう変わったのかを深く見つめなおすことができ、旧知の多くの友人と再会し、親交をより一層深め、そしてまた多くの新たな友人を得ることができました。
私の研修プログラムは、2024/4/21(日)出国~5/1(水)帰国のスケジュールでした。4/21(日)に羽田空港から金浦空港に渡韓後、韓国高速鉄道KTXでソウルから大邱(テグ)に移動し、大邱で一番大きな繁華街である東城路(ミニ歌舞伎町みたいはイメージ)の中心に位置する東横イン(笑)に4/25(木)の朝まで滞在しました。4/22(月)~4/24(水)の3日間は、前回も訪問したKyungpook National University Hospital (KNUH)にて研修させていただきました。初日4/22(月)の夜には、未曽有のレジデント全国一斉ストライキ中で大変お忙しいにも関わらず、2018年の訪問以来Mentorとして師事しているChang-Wug Oh教授と、その愛弟子であるJoon-Woo Kim教授の両教授そろって、海外からのfellow 3名(日本、台湾、タイ各1名)の歓迎会を、韓国の伝統的な懐石(?)料理店にて開催していただきました。両教授ともにお酒をあまり飲まれないことは以前より知っておりましたが、大酒家が多い韓国における、コーラとスプライトを混ぜたフェイクビールという処世術を新たに教えていただきました。4/25(木)の朝早くにJoon-Woo Kim教授が運転する爆走マイカーで釜山に移動し、そのまま韓日合同の骨盤輪・寛骨臼骨折治療研究会に参加し、4/27(土)まではKFS会場である高級ロッテホテルに滞在いたしました。釜山への道中、Kim教授は「普段は1-2か月前にはプレゼンスライドが完成しているのに、今日の分が完成したのは昨夜だったよ。ストライキのせいで。。」と嘆いておられました。一方で、KNUHの両教授のみならず、大邱やその他の地域で整形外傷を治療するドクターが全員釜山に集まっている間、救急医療はどうなるのか聞いてみたところ、「知らないよ~。」と笑っておりました。ただ、次の訪問先であるAjouなど、ごく一部の指定施設はストライキなど無関係に常にノンストップだから、間違いなくAjouでは手術がたくさんあるよ、とのことでした。
4/25(木)の夜にKFS前夜祭で釜山名物のキングクラブを堪能した後、4/26(金)・4/27(土)の2日間、50th Annual Meeting of the KFSに参加しました。日本からのfellow 2名(KFS@釜山から松浦先生が合流)のプレゼンは初日の一般演題に組み込まれておりました。初日4/26(金)に開催された晩餐会にご招待いただき、会の終盤で各国からのfellowに対してcertificateが授与されました。KFS終了後すぐ、ストライキ中にも関わらず自己研鑽として学会に参加していた、次なる研修先Ajou Universityのレジデントのエスコートのもと、夜のKTXで水原(スウォン)に移動し、繁華街にほどよく近いシティホテルに5/1(水)の朝まで滞在いたしました。
4/28(日)の終日フリータイム(松浦先生と水原華城を半日かけて歩いて一周しました)を経て、4/29(月)~4/30(火)の2日間はAjou Universityにて研修させていただき、5/1(水)に金浦空港から帰国となりました。事前情報の通りAjou Universityはストライキ中も唯一エンジン全開で機能を維持し続けているTrauma centerとのことで、若いconsultant達は1人当たり年間500件以上の手術をこなし続けるハードワークの日々にもかかわらず、連日連夜手厚いおもてなしをいただきました。特に、KFS若手のホープであるWon-Tae Choは、2018年11月に京都で開催されたISFRに、兵役中の休暇を利用して先輩ドクターと来日していた折に、縁あって私がイチ押しのローカル鉄板焼き(焼きそばが絶品でしたが、残念ながら現在は閉店)をご馳走していた経緯もあり、手厚い恩返しを受けました。だからというわけではございませんが、本当にナイスガイで、私の推しです。
詳細は、百聞は一見に如かず、ということで、現地での写真(別ファイル参照)を供覧いただくことで、今回の旅を振り返らせていただきます。
最後になりましたが、このような素晴らしい海外との交換traveling fellowプログラムを継続いただいておりますJOTA(旧JSFR)の関係者の皆様、圧倒的なおもてなし精神でいつも迎えてくださるKFSの関係者の皆様、再び2週間もの海外研修をお許しいただきました東京科学大学(旧東京医科歯科大学)整形外科教室の皆様に、この場をお借りして心より深く御礼申し上げます。