医療従事者の方へ

フェローシップ

韓国 fellowship program レポート 2023

Travelling Fellow in Korea

製鉄記念広畑病院
圓尾 明弘 先生

2019年に骨折治療学会の学会賞を受賞したのですが、コロナで延期されていたプログラムが今年4年ぶりに再開され4年間のフェローが招待されました。

私は、大邸にある慶北大学を訪問することになりました。埼玉医大の森井先生と台湾から参加の先生の三人でご一緒することになりました。
大邸は人口250万人の韓国の中央に位置する韓国第3の都市です。ソウルから電車で2時間弱の距離にあり、関空からは直行便が飛んでおり、北海道より近いです。

前日から訪れたので一人で市内めぐり。屋台があるマーケットに行って英語が全く通じないなかB級グルメを堪能したり、近くにある600mほどの山に登って市内を一望したり、地下鉄やバスにも乗ってみたりしました。ガイドブックも持たずでしたが、google mapと翻訳アプリでハングルもなんとかなるもの。時代の進歩はすごい。

慶北大学病院は、1907年から歴史のある施設で市内の中心部にあり、外傷を多く引き受けています。教授のCHANG-WUG OH先生は、とても気さくで常にユーモアを振りまいていますが、周囲には細やかな目配せもされていました。週に何件も骨盤骨折の手術があるのに今週はたまたま少なく、手術が2件もキャンセルになったと申し訳無さそうにされていました。
ディナーでは連日焼肉パーティーの歓迎。ほんとによくしていただきました。たまたまその席で翌朝のMorning lectureをする流れになり、30分ほどの時間でCLAPの紹介を行い、大学のメンバーと深いdiscussionができました。翌日には同じ時間にGiannoudis先生がレクチャーをするという贅沢。

さて手術見学ですが、感染性偽関節、開放骨折、インプラント術後感染など鬼門となる感染に苦労するのは国境を超えても同じ。自分の中にはCLAPありきの戦略があるのですが、色々と難治症例に対する匠の技も見せていただきました。事前に講演をしていたので「CLAPがあればどうするんだ」と色々とdiscussionをすることができました。新しいことも、柔軟に理解を示して、受け入れようとする姿勢は流石と思われました。

大邸のプログラムが終了するとKSF meetingのためにソウルに移動。
KFSは、金浦空港に隣接するホテルでの開催。メインルーム2つでプログラムが行われました。午後のセッションでは日本人の発表がまとめて行われましたが、私の発表に質問があり、興味を持っていただいたことはありがたいことで。みんな無事に発表が終わってよかったと懇親会では祝杯。
なかなか1週間を超えて病院を留守にすることはなかったのですが、コロナが収束してまた海外に自由に行ける時代がやってきたのは嬉しいことです。face to faceで国際交流できたのは最高の経験になりました。