医療従事者の方へ

フェローシップ

韓国 fellowship program レポート 2023

Korean Fracture Society and Japanese Society for Fracture Repair travelling fellowship program in Korea

帝京大学医学部整形外科/外傷センター
助手 乾 貴博 先生

6年前に引き続き、2回目の機会をいただき、4月24日から29日まで日本骨折治療学会および韓国骨折治療学会のTravelling fellowshipプログラムで韓国に行って参りました。大邸のKeimyung University Dongsan Medical Centerを見学し、韓国骨折治療学会の学術集会に参加して発表しました。本来私は2年前に行くはずでしたが、コロナ禍でプログラムが延期となっていましたので、3年ぶりのプログラム再開となり、多くの先生と一緒に参りました。

6年前は関西から参りましたが、現在は東京に転居しましたので羽田国際空港から金浦国際空港へ向かい、ソウル駅に出てそこからKTX(韓国の新幹線)で大邸に向かいました。おおよそ8時間の旅路です。

6年前は大邸のKyungpook National University Hospitalでお世話になりましたが、今回はKeimyung Universityを訪れました。韓国内では「映える」キャンパスということで有名な大学で、テレビドラマでもよく撮影に使われているそうです。広大な敷地に美しい建物がいくつもあり、歴史的なコーナーもあって散策者も多い大学でした。

朝の開始は早く、レジデントが透視係、フェローが術野準備、教授が執刀という体制で手術は8時頃から開始です。基本的には手術を執刀するのは教授です。入れ替えの時間をかなり短くして、多くの手術を行っていました。また、手術室毎に看護責任者が決まっており、決まった手術に習熟することで手術の時間を短くしているようでした。Orthopaedic TraumaのチーフとしてBeom-Soo Kim先生が案内してくれました。夕食会で歓待していただいたときに聞いたのですが、すべての外傷手術の責任を持たないといけないから、どんな簡単な創外固定でも自分が執刀しないといけない、とのこと。韓国では執刀医の立場になるのも競争で、大きな責任が伴うようです。Kim先生は私と同い年であることが分かり、夜の大邸で3件はしごして痛飲しました。勝手に心の友認定しております。

ソウルに移動して、学会ではAvoiding intramedullary reduced position in lateral view prevents lag screw cut-out after internal fixation of trochanteric fractures: a multicenter, nested, case-control studyという題で発表してまいりました。転子部骨折の整復位として髄内型・髄外型を発表していた韓国の先生もいらっしゃり、東アジアでの認知度を再確認することができました。

最後に今回のfellowship programに参加させていただいた骨折治療学会関係者の皆様と、快く送り出していただいた帝京大学整形外科の皆様に深謝致します。