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足関節骨折(足首のくるぶしの骨折)

南里 泰弘(富山県厚生連滑川病院 整形外科)

足関節骨折(足首のくるぶしの骨折)は、下腿や足が固定された状態で直接外力が加わったり、捻りや横方向・縦方向への力が足関節に及んだときに起こる骨折です。 脚の骨折で最も頻度の高い骨折です。
この骨折は関節内骨折のため、治療の目的は足関節の骨のずれを元に戻すことです。 また足関節では、強靭な靱帯で「すねの骨」と「かかとの骨」とが結ばれており、骨折の際にこれらの靱帯が切れたり伸びた状態のままになると足関節が不安定となり、痛みが残ったり関節軟骨が傷んでしまう変形性関節症へと移行することがあるので、治療に関しては靭帯にも十分な注意が必要です。
一般には、ずれの無い骨折のみ保存的治療(ギプス固定など)が行われますが、多くの場合手術的治療が必要になります。

診断

足関節を骨折すると多くの場合は歩けませんが,骨折のずれがない時は歩ける場合があります。 ですから怪我をしたあと歩けても、足関節の腫れがひどい時は病・医院の診察を勧めます。骨折の有無はレントゲン検査で調べます。 左右を比較して関節面の骨折を注意深く調べます。 関節内が傷んでいる場合はCTスキャンを用いることも多々あります。

骨折の分類

ここではAO分類を紹介します(図1)。
腓骨(ひこつ|すねの外側の細い骨)の骨折の位置で大きく3つに分けます。 脛腓靱帯(けいひじんたい|足関節の少し上方にあるすねの骨どうしを結んでいる靱帯)より足側(タイプA)、同部位(タイプB)、膝側(タイプC)で分けます。 骨折の部位が膝側になるにつれ骨折の程度は重症化します。

図1.足関節骨折のAO分類

図1.足関節骨折のAO分類

治療

保存的治療(ギプス固定や副木・シーネ固定など)

靱帯が切れてなくて、骨折があってもずれが無い場合に行います。

手術的治療

多くの場合手術的治療となります。
基本は骨折した骨を元の位置に戻して足関節を動かしても骨がずれないようにネジやボルトで固定します。
針金を使うこともあります。骨折部位は圧迫をかけて骨がずれないようにします。

骨折だけでなく、靱帯が切れていたり靱帯が付着している骨がはがれている場合はその場所も修復します。
いずれにしても腓骨が重要であり、足関節を怪我する前の状態に戻して、その長さが短縮しないように固定することが大事です(図2~4)。

図2.タイプA骨折

図2.タイプA骨折

図3.タイプB骨折

図3.タイプB骨折

図4.タイプC骨折

図4.タイプC骨折

手術後は早い時期から、足の関節を動かす練習を行います。
一般的には、術翌日からでも行います。
場合によっては足のかかと側に副木・シーネをする時がありますが、その場合でも足関節や足指は動かすことができるようにします(図5)。

図5.術後の足を動かす練習

図5.術後の足を動かす練習

深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)にならないように、術翌日より脚全体を持ち上げる練習をしたり機械で脚を動かす練習をしたりします。 かかとは浮かして足指のみ地面につけて歩く場合はありますが、体重をかけてかかとをつけて歩くのは早くても3~4週間程度かかります。 骨折した部位が骨癒合したかどうかは、レントゲン検査をして注意深く観察します。 歩き始めて足関節が痛くなったり、腫れが強くなるようでしたら主治医の先生と相談されるのがよろしいかと思います。

最後に、足関節骨折は非常に多い骨折です。 歩行する時には、全体重が足関節にかかりその負担は大変なものです。 足関節の関節面が怪我をする前の状態に戻っていない場合、足関節は変形性関節症へと移行し関節の動きが悪くなったり、痛みが残る原因となります。 ですから足関節骨折は正しい診断と治療を必要とする怪我・骨折です。 足を捻って足首が痛くて腫れているときは、歩けるから大丈夫と思わないで、まず専門医(整形外科医)を受診されるのをお勧めします。

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