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肋骨骨折

正田 悦朗(兵庫県立西宮病院 整形外科)

図1

肋骨は左右12対の骨で背中の胸椎から前胸部の胸骨までかごのように胸腔を形成しており(図1)、その中に存在する心臓や肺ばかりでなく、腹腔内の肝臓、脾臓、腎臓の一部を保護しています。
ただ、11、12番目の肋骨の前方は胸骨にはくっついていません。

肋骨骨折は、胸部外傷の中で最も多くみられるものです。 その原因は机やタンスの角にぶつけたというような軽度の外力によるものと、交通事故や高所からの転落といった大きな外力によるものがあります。 また、ゴルフのスイングなど体を捻ることで発生することもありますし、咳で骨折することもあります。
大きな外力による場合には複数の肋骨が骨折することが多く、胸郭内の肺や心臓、大血管に損傷が及ぶことが多く、命にかかわってくる場合があります。
このような時には胸部外科での治療が必要となりますが、通常の骨折は整形外科で診察します。

症状としては、骨折部位に一致した痛みと圧痛、皮下出血、腫脹が現れ、骨折部を軽く圧迫すると軋轢音(骨折部で骨がきしむ音)がすることがあります。 体をそらしたり、肩を動かしたりすると痛みが強くなり、また痛みのために深呼吸や咳、くしゃみがしにくくなります。

診断は胸部の触診とX線撮影によって行われます。
ただし、肺の影と重なったり、肋骨同士が重なったりするため、骨折が判明しにくい場合もあります。
また、肋骨の前方部分は肋軟骨となっており、ここでの骨折はX線では確認できません。

治療は肺や心臓、血管の損傷を伴っていなければ、明らかな骨折、不全骨折(いわゆる“ひび”)、X線で骨折がはっきりしない打撲の場合でも、ほぼ同様です。 疼痛が軽度な場合には、消炎鎮痛剤の内服と湿布などで経過をみます。 疼痛がやや強い場合には、バストバンドやトラコバンドとよばれる固定帯による圧迫固定を追加します。 これらの治療で多くは数週間で軽快します。 転位が高度な時など、時に手術が行われることもありますが、かなり稀です。
応急処置としては、呼吸運動に伴って胸痛が強まることから、幹部に厚手のタオルなどを当て、これを軽く圧迫することで疼痛を軽くすることができます。 胸腔内損傷を合併している可能性もありますので、早めに医師の診察を受けたほうがよいと思われます。

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